今回は、ニューヨークが生んだ異端のロック、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。略してヴェルベッツとも言われています。
サウンド的には、バンド名(アンダーグラウンド)が表すようにまさにアングラ?で実験的(アヴァンギャルド)で、ノイジーでポップ・・であったためか、あまりにも時代を先取りしていたためか商業的には大成功はしませんでしたが、一部熱狂的なファンとフォロワーを生み出しました。
1964年にルー・リード(Vo、G、1942/3/2 - 2013/10/27)とイギリスから音楽を学びにきていたジョン・ケイル(Viola、B)と出会って意気投合したのがバンド結成の発端。
※ジョン・ケイルインタビュー 2016/8(Blue Note Tokyo) http://www.bluenote.co.jp/jp/news/interview/7609/
1965年頃にスターリング・モリソ(G)、モーリン・タッカー(Dr)が加入しヴェルヴェット・アンダーグラウンドとして活動を始めます。
ちなみにバンド名はSM小説のタイトルから付けられたという話があります・・。
彼らの演奏を見たアンディ・ウォーホルに認められ、ウォーホルのプロデュースの下でのデビューアルバムの制作が決定します。
ウォーホルの提案によってニコがヴォーカルとして加入し1967年にファーストアルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」をリリース。
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このアルバムは、ウォーホルがデザインしたバナナジャケットで有名で、「バナナ・アルバム」とも呼ばれ全米チャートでは171位とマイナーなヒットでしたが、ヘロイン、毛皮のヴィーナスなどドラッグ等の反社会的な内容を持った作品は一部で高く評価されました。
ウォーホルとの関係を断ち、ニコが脱退した後に1968年セカンド・アルバム「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」をリリース。
ファーストよりノイジーでフリーキーな作品となっており大作「シスター・レイ」など強烈な曲が入っています。
このアルバムは後のパンク・ニューウエーブ、オルターナティブなどに多くの影響を与えた重要な作品であると思います。
しかし、リードとケイルの音楽性が激しいぶつかった結果ケイルが脱退することに・・。
1969年のサード・アルバム「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドV」をリリース。
ケイルが脱退した影響かセカンドと違い叙情的な面が目立つアルバムとなっています。
1970年アルバム「ローデッド」をリリース。
「スウィート・ジェーン」や「ロックンロール」といった他のミュージシャン(モット・ザ・フープル、ランナウェイズ等)にカヴァーされた名曲が入っています。しかし、音楽性や人間関係のもつれからか・・リードが脱退。
1973年ラストアルバム「スクイーズ」をリリース。このアルバムがリリース後バンドは解散。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、一部のロックファンの間で非常に評価が高く様々な音源が発掘、リリースされています。
1990年代に何度か再結成を行い1996年にロックの殿堂入り。