今回は久しぶりに1960年代後半に遡って、ティラノサウルス・レックス。
■アルバム
・ティラノサウルス・レックス登場(1968)
・神秘の覇者(1968)
・Unicorn(1969)
・ベアード・オブ・スターズ(1970)
もちろん、ティラノサウルス・レックスと言えば・・・
マーク・ボラン(Marc Bolan、1947年9月30日 - 1977年9月16日)ですが、T.REXじゃないんですね。
ティラノサウルス・レックスからT.REX(Tレックス)に名前を短くし、サウンドもより、ゴージャスにキャッチーになって行きます。
1970年代前半には、デビッド・ボウイと共にグラムロックの大ブームを作りだすことになります。
https://ukrock1977.work/category/11288520-1.html
前に取り上げたジャパンにしても、バウハウスにしてもグラムロックの影響を抜きにしては語れませんし、その2バンド以外にも、グラムロックの影響は測りしれないものがあります。
https://ukrock1977.work/category/11288524-1.html
https://ukrock1977.work/category/11288527-1.html
さてティラノサウルス・レックス自体は、ジョンズ・チルドレンのマーク・ボラン(アコースティック・ギター&ヴォーカル)。
スティーヴ・トゥック(パーカッション)の二人組で、神秘的なフォークロック・グループとしてカルト的な人気を誇りました。
1968年にデビューアルバム「ティラノザウルス・レックス登場」をリリース。
全英15位のスマッシュ・ヒットを記録します。その後、次々にアルバムを発表し、新しいパートナーにミッキー・フィンを迎え、エレクトリック・ギターを導入したのは1970年でした。
アルバム・ジャケットとサイケデリックなフォークサウンドが幻想的な雰囲気を醸し出しています。マーク・ボランの独特な声が魅力的です。
「サラマンダ・パラガンダ」など曲名からして、マーク・ボランの摩訶不思議なセンスが感じ取れるユニークな曲が並んでいます。
スティーブからミッキー・フィンにメンバーが変わり、エレクトリック・ギターを取り入れた意欲作。
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1970年末にバンド名を「ティラノサウルス・レックス」から「T.Rex」に短縮。
T.REXは「ライド・ア・ホワイト・スワン」がヒットし新しいファンを獲得。
1971年にスティーヴ・カーリー(ベース)、ビル・レジェンド(ドラム)が加入、「電気の武者」がUKチャートで1位を記録する大ヒットとなり、スターの仲間入りをします。
「ゲット・イット・オン」、「テレグラム・サム」、「メタル・グルー」、「チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション」、「イージー・アクション」などT.REXを代表する名曲を次々と発表し、魅力的なジャケットのアルバム「ザ・スライダー」も連続して大ヒット。
デビッド・ボウイと共にグラム・ロックムーブメントとしてイギリスのみならず欧州・日本でも一大ブームを巻き起こします。
1973年には「20センチュリー・ボーイ」「ザ・グルーヴァー」「トラック・オン」、アルバムは「タンクス」「グレイト・ヒッツ」をリリース。(ちなみに私が最初に買った洋楽のレコードは、「グレイテスト・ヒッツ」)
余談ですが「20センチュリー・ボーイ」は日本の東芝EMIのスタジオでレコーディングされました。
漫画の「20世紀少年」が大ヒットし、映画化されたりしていますのでその際に初めてT.REXに出会った方も多いかも。
不思議なのは、1973年位までは曲が輝いているというか・・
プロデューサーのトニー・ビスコンティの手腕もあるとは思いますが、魔法が掛かっているかのような魅力があることですね。
1974年以降は、グラムロックも下火になりますが、コンスタントに作品をリリース。
そして・・1976年からパンクの新しい波が生まれてくる中で、マーク・ボランは積極的にダムドなどのパンクバンドを紹介するなどパンクロックの波及にも貢献していたのでした。
https://ukrock1977.work/category/11525827-1.html
パンク・ムーブメントが起こる中で、再び英気を取り戻したのか1977年に力作「地下世界のダンディ」をリリースし、復活の兆しを見せていた矢先に・・・ロンドン郊外のバーンズにおいて自動車事故で世を去ります。(1977年9月16日)
自動車は愛人のグロリア・ジョーンズが運転し、マーク・ボランは助手席に乗車していました。
マーク・ボランは以前魔女と同棲していて、その魔女に「あなたは若くして大成功を収めるが、30歳までに血まみれになって死ぬだろう」
と預言されたという話があります。
そのためか・・「僕は30歳まで生きられないだろう」と冗談ぽく語っていたと言う話もありますが、実際にその話は現実となり30歳の誕生日の2週間前に天国へと旅立っています。
・T.Rex(1970年)
・電気の武者/Electric Warrior(1971年)
・ボラン・ブギー/Bolan Boogie(1972年)
・ザ・スライダー/The Slider(1972年)
・タンクス/Tanx(1973年)
・ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー(1974年)
・ブギーのアイドル/Bolan's Zip Gun(1975年)
・銀河系よりの使者/Futuristic Dragon(1976年)
・地下世界のダンディ/Dandy In The Underworld(1977年)
・・どうでもよい話ですが以下のアルバムタイトルの長さには驚きです。
日本で仮面ライダーの番組を見て衝撃を受け・・タイトルに付けてしまったとか面白い話もありますが・・これも、マーク・ボランの独特のセンスなんでしょうね。
・Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August(ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー)
ティラノサウルス・レックスの時のデビュー作のタイトルも衝撃の長さ。
・My People Were Fair And Had Sky In Their Hair,But Now They're Content To Wear Stars On Their Brows・・長いっ!!
(邦題は、ティラノサウルス・レックス登場(笑))
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